2009年08月29日
利益とキャッシュはイコールではない・・・
税務署の発表する法人の申告所得は、70%以上の法人が赤字。
赤字ということは、収益よりも費用が多いということを意味しています。
しかし、だからといって赤字の法人がすぐに倒産するということは一概に言えません。
逆に、黒字の法人であっても倒産することが考えられます。
これらは、利益とキャッシュはイコールではないためであります。
例えば、次の事例を見てみましょう。
P/L [売上高 100] − [費 用 80] = [利 益 20]
この場合、取引条件によってキャッシュは次のように異なってきます。
ケース1. 掛での売上 100 − 掛での仕入 = キャッシュ 0
ケース2. 現金で売上 100 − 掛での仕入 = キャッシュ 100
ケース3. 掛での売上 100 − 現金で仕入 = キャッシュ ▲80
ケース4. 現金で売上 100 − 現金で仕入 = キャッシュ 20
損益計算書上、利益は20の場合でも、ケース1.2.3.4.の場合のキャッシュの増減は異なることとなります。
最も安全な経営を行えるのは、ケース2。
逆に最も危ない経営となるのは、ケース3であります。
ケース2とケース3とでは、キャッシュが180の開きとなります。
ケース3の場合は、売上を増やせば増やすほど、キャッシュがマイナス(運転資金が必要)となって外部からの資金調達が必要不可欠となります。
とかく、売上だけに目を奪われがちですが、自社の資金フローを今一度見直ししてみてはいかがでしょうか。
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- by n.yamaguchi
- at 12:00
comments
いつも読ませていただき勉強をさせていただいております、感謝です。一般管理費の中で弊社の項目に管理諸費と云うものがあり、大半は顧問先の会計事務所への支払額です。大きな固定費です・・・その内容はと云えば税務の為の巡回でしょうかね。 貴ブログは毎月定額のネット接続料で御指導いただける。かなり大きな差と痛感いたしております。 中小企業が大半を占める日本、金融機関と会計事務所で地方の金融機関を育てると云う大きな使命感、本当でしょうか??疑問を持ってしまう今日この頃でございます。 貴ブログの所長様の熱意には本当に感動させられます、今後とも貴重な情報、貴重な御意見の掲載を楽しみにしております。
KBさん、所長のひとりごとをご覧頂きありがとうございます。
また、うれしいコメントありがとうございます。
その「使命感」は本当と思います。
金融機関と会計事務所は立場は違うにせよ、中小企業の永続発展を支援するという目的は同じと確信いたします。
ただ、金融機関の各支店の融資担当者は人員は減っていく中で成績の結果を残さなくてはいけないという中で理想と現実のギャップで徹底していない方もおられるのではと感じることもあります。
要は、融資を受ける側がどういう方と関わるかということ言うことが大事なのではないでしょうか。
今後のお気づきの点についてぜひコメントをいただければ幸いです。