昨夜の11時からのNHKテレビ“ブレイブ 勇敢なる者”は、 「硬骨エンジニア」。
今や、あらわるものに入っている「フラッシュメモリ」の発明者で、元東芝社員 舛岡富士雄さんでした。
舛岡富士雄さん・・・と言っても、ほとんどの人が名前すら聞いたことがないのでは。
日本じゃ全然評価されなくて、フォーブスに「評価されない英雄」と評価されたことも。
舛岡さんが1984年にフラッシュメモリの学会発表をしても、当時の米国ではは「日本は米国の真似をするのが関の山で、新しいことができる訳が無い」と思われ相手にされなかった。 勤務もとである東芝さえ、そうだったそうです。
関心を示したのはなんとインテルだったとのこと。
しかし、世界中の人が、この舛岡さんが発明したフラッシュメモリの恩恵を受けて生活しているというというのが現状なのです。
電源が切れてもデータを記憶し、小さくて軽く、消費電力の少ない「フラッシュメモリ」という記憶媒体。
それは、今や世の中のありとあらゆる製品に・・・。・
スマートフォン、パソコン、USBメモリ、SDカード、エアコンや冷蔵庫といった家電製品全般、自動車、交通系ICカードやクレジットカードにも。
現代社会は、もはやフラッシュメモリがなければ成り立たないという状態にまで。
その「フラッシュメモリ」の発明者、舛岡富士雄さんについてでした。
フラッシュメモリの発明で世界を変えた舛岡富士雄さんは“異端”の人だったようです。
いくつもの“非常識”を乗り越ええられてきたとのこと。
「僕のことを恨んでる人もいると思うんです、今」と、本人の言葉も。
番組の中で東芝時代の部下たちが当時を語っている内容が衝撃的でした。
毎日のように部下をしかり続ける・・。
会社にいても眠ってばかりで仕事をしないで夕方になると部下に飲みに行くぞ、と・・・
なぜ、フラッシュメモリがこれほどまでに多くの製品に使われているのはその安さ。
約30年前にフラッシュメモリを発明し、開発を強引に押し進めた舛岡さんが貫いた信念は「とにかく安くする」こと。
そのためには「性能を悪くする」こともいとわない。
普通のエンジニアの発想からはかけ離れていたとのこと。
当初は誰もが「こんな製品はモノにならない」と語るほど、問題だらけで“非常識”な製品だったようです。
30年後の現在、フラッシュメモリは約3~4兆円市場になり、今後ますます成長すると見込まれるほどに。
「東芝が生んだもので、世界が変わったんですね……」
現在の東芝は、原発事業での巨額損失から稼ぎ頭の半導体事業を分社化し、売却することで経営再建途上。
半導体事業の資産価値は約2兆円。
まさにそれが「フラッシュメモリ事業」。
舛岡さんをはじめとするエンジニアの方々の悪戦苦闘、抱腹絶倒、悲喜交々の人間ドラマの紹介でありました。
本当であればノーベル賞を受賞していてもおかしくないようですよね。
「硬骨エンジニア」の神髄を学ばせていただいた1時間でありました。
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