中小企業といえども、その企業の存在価値がない会社は、いずれ淘汰されるといわれています。
自社が地域に必要とされている企業かどうか、なくなったら困る人がするのかどうかがすべてのようです。
今朝(28日)の日刊工業新聞の『招客招福の法則』というコラム欄に次のようなほのぼのとした記事が掲載されていましたので紹介します。
・・・ある地方の町の食品スーパーから、深く考えさせられるご報告をいただいた。
この店は多くの高齢者が利用している。
そのほとんどは手押し車を押して、徒歩で来店する。はるばる店に歩いて来て、店内を歩いて買い物を済ませ、さらに家まで帰るとなれば、何十分も歩きっぱなしになる。
そこで店主は、休憩スペースを設けようとレジ前にベンチを置いてみた。これは思いのほか好評で、多くの来店客が腰をかけるようになった。
そんなある曰、常連のおばあちゃんが来店した。店主は「今度ベンチを用意したからゆっくりしていってね」と声をかけた。
15分ほど経って見てみると、先ほどの彼女が会計を終えてからも、ずっと座っている。彼の顔を見て「もうちょっとここに居させて」と言うので、よほど疲れているのだろうと思ったら、意外な言葉が後に続いた。
「ここに座ってると、いろいろな人に会えて楽しいから」
見ているとレジ前ゆえに多くの人が前を通る。知り合いとは「久しぶりだね〜」と会話がはずみ、知らない人とは「やっと暖かくなってきたね」と挨拶を交わす。
そしてレジのスタッフともさまざまな会話が交わされる。彼女がそこに座っていたおよそ30分の間、ほのぼのとした笑顔が周りを癒してくれているようだった。
その表情を見ていて店主は気づいた。彼女の直接の来店動機は必要なものを買いに行くことかもしれなかったが、店にはこのように買い物以外の体験もある。何をどう売るのかという以前に、店の存在自体がすでに価値あることなのだと。
彼はこのおばあちゃんから店が地域に存在する意義を教わったという。 今年50周年を迎えるこの店の次の目標は、次の50年もこの場所にあり続けることだそうである・・・
ぜひ、その存在意義を護るために存続しつづけていただきたいものですね。
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