昨日2日の日経新聞に、横10㎝、縦7㎝の大きさで掲載されている広告に目がとまりました。

その広告の中心に、「五方よし」と書かれていました。

その説明として、

○○は、

「従業員」「お客様」「お取引先」「地域社会」「株主・投資家」の皆さまとともに歩んでまいります・・・と。

○○は、有名な上場企業であります。

弊社は、「三方よしで、真の幸福の実現を!」を経営理念とさせていただいております。

三方よしは、近江商人の経営哲学のひとつとして広く知られておりますよね。

「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方に共鳴し、当社の経営理念とさせていただいたところです。

三方だけでなく、五方・・・。

すごいですね。

法政大学大学院 元教授 坂 本 光 司さんは、五方よし経営を提唱しています。

五方よし経営とは

1.社員とその家族
2.社外社員とその家族
3.現在顧客と未来顧客
4.地域住民とりわけ障がい者等社会的弱者
5.株主・支援機関・地域社会

ところで、「三方よし」は明治後期から昭和初期にかけて日本国内で流布されていた言葉のようです。

ネットで調べてみました。

その考え方のベースとなるものはそれ以前に存在していたとか。

1754年(宝暦4年)の近江商人の中村治兵衛宗岸さんという方がが残された15歳の養嗣子に残した「宗次郎幼主書置」という書物中の記述に三方良しの考えと同様の考えを見ることができるそうです。

次は、宗次郎幼主書置の記述の抜粋とのこと。

「知っている人も知らない人も、その国の人々が商品に満足することを優先し」
「高利を望まず、『天道のめぐみ次第』と考えて」商売をして、
「自分の欲望を抑えるために、神仏への信仰心を持ちなさい」

近江商人の記述の抜粋

「他国ヘ行商スルモ総テ我事ノミト思ワズ、其国一切ノ人ヲ大切ニシテ、私利ヲ貪ルコトナカレ、神仏ノコトハ常ニ忘レザル様致スベシ」

これらの言葉から、小倉栄一郎さんという方が「売手よし」「買手よし」「世間よし」という三方よしというキャッチコピーを生み出し、一般化したようです。

昨日7月3日から、20年ぶりに新紙幣が発行されましたが、1万円札に描かれている渋沢栄一さんの「論語と算盤」のなかで、渋沢栄一さんは「倫理と利益の両立」をあげ、国全体を豊かにするために、富は全体で共有するものとして社会に還元すべきと説くとともに、自ら実践されたと書かれているそうです。

ネットでさらに調べてみました。

「六方よし」を掲げている企業がありました。

「売り手」
「買い手」
「作り手」
「世間」
「地球」
「未来」

さらに「七方よし」を掲げている企業も。

「作り手」
「買い手」
「売り手」
「社会」
「自然」
「生物」
「未来」

「八方よし」も見つけました。

「従業員」
「取引先」
「顧客」
「株主」
「地域」
「社会」
「国」
「経営者」

なんと、 「十方よし」も・・・

「三方よし」を社名にされている企業も。

本当にすばらしいですね。

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