先月3月31日に平成27年度税制改正法案が参議院で可決成立しました。

その中で、最大の関心事である消費税については。税率が10%への引き上げを再来年4月まで1年半延期することも決定。

今回は、経済情勢によっては増税を見送ることができるとした、いわゆる「景気弾力条項」は法律から削除されています。

昨日届いた専門誌に、著名な税理士の方が書かれた記事を興味深く読まさせて頂きました。

タイトルは『消費税率10%後のあり方』

2020年度までに国と地方を含めた基礎的財政収支を黒字にする政府の目標は達成できるのだろうかという投げかけ。

その内容を紹介すると・・・・・

・経済同友会では、『消費税率を平成30年度から毎年1%ずつ引き揚げて18%に』と提言している・・・

・しかし、、政府の中長期試算によると、名目経済成長率が3%台で推移したとしても平成32年度時点で基礎的財政収支の赤字が9.4兆円残る・・・

・この赤字を、経済成長による税収増、歳出削減、増税で穴埋めすることになるが、来年夏に示される財政健全化計画のお手並を拝見したいところ・・・

・どう考えても消費税率10%で済みそうになく、『10%+α』であるが、甘利経済再生相によると『消費税率引き上げは5年間に1回』が基本ということだから、次の引き上げは平成34年度で、それまでは消費増税は封印・・・

・現在は消費税率を「10%+α」とすると、「『どうせ増税で財政再建はできる』として歳出削減の努力が引き出せなくなるという」問題点が・・・

・こうなると、社会保障費を絞り込み、それでも黒字達成が難しくなったら消費増税を持ち出すという『後出しじゃんけん』のような構図が見えてくる・・・

・追加増税ができないのであれば、思い切った歳出削減という手もあるが、『歳出カットで景気が失速したら元も子もない(甘利経済再生相)』ということだからこの手を使う覚悟もなさそう・・・

いずれにしても、消費税の追加増税の幅を左右するのは、社会保障改革のようです。

平成27年度の一般会計予算で社会保障関係費は、31兆円余りで、歳出全体の32.7%を占めています。

今後の消費税率の再引き上げの率と時期が気になります。

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