2001/4/30(月) 『ペイオフ解禁まで、あと11ヶ月』 金融機関が破綻した際、預金者に払い戻す金額に上限を設ける措置がペイオフ。現在凍結中のこの措置が来年4月から解除されます。自社の取引金融機関の破綻が、資金繰りを圧迫するということが考えられます。目的ごとに取引する金融機関を分散するなど、予防策に着手の検討が・・・・・。 定期預金、定期積金などは、2002年4月から元本1000万円を超える預金は保護されなくなり、当座預金、普通預金などは、2003年4月から元本1000万円を超える預金は保護されなくなります。 たとえば、ある企業で、5000万円の借り入れと、3000万円の預金が同じ銀行にあると想定した場合のケースです。利子は無視して考えると、銀行に対する企業の債務は、借入金から預金を差し引いた2000万円。ところがこの銀行が破綻した場合、払い戻される預金は1000万円で、5000万円の借り入れはそのまま債務として残り、企業の債務は4000万円となり、破綻前の倍にふくらむことになります。 預金、借入、取引の決済など、目的ごとに付き合う金融機関を分けることが理想的といえます。解禁まであと11ヶ月。今から、これらを想定した取引銀行の開拓を検討してはいかがでしょうか。 2001/4/29(日) 『みどりの日は、我が事務所の日』 今日29日は、みどりの日。「にいがた緑の百年物語」のスタート祈念植樹が実施される日だそうです。この百年物語は、緑の遺産づくり21世紀への贈り物をテーマに、百年かけて緑豊かな新潟県をつくり上げようという、スケールの大きい運動とか。 当事務所の事務所通信は「みどり通信」、スタッフの親睦の会は「みどり会」、お客様と共に経営について学ぶ会が「みどり塾」です。16年前の開業当初から、みどりにこだわりつづけ、名刺の色、封筒の色、制服の色、スリッパの色、事務所の統一カラー、あげくはトイレの便器の色までみどり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。可能であれば、今後もみどりにこだわり続けたいと思っております。目にも優しい色ですしね。これは、小学校時代のあることからのこだわりが原因となっているわけですが、こだわることは、ある意味では愛着を持つことであると考え、このみどりをこよなく愛し続けております。自分にとって、いい意味でのこだわりを大事にしたいと思っております。 そういう意味からすると、今日のみどりの日は、我が山口昇税理士事務所の日ということになり、そのために日本全国の国民が祝ってくれる祝日と、勝手に考えることとしております。人に迷惑をかけないこだわりであればお許しいただけるのでは。 そういえば、今年度より、自動車税にグリーン化税制が導入されました。環境負荷の小さい自動車に対しては自動車税を最大で50%軽減し、逆に大きい車は10%重課するというものです。これも、時代はみどりという現象の一つと言えそうですね。 話は変わりますが、ちなみに、私の車のナンバーは、5193。関与先企業の永続発展を願うという当事務所スローガンにかけて5193です。永続企業(ゴーイング・コンサーン)、5(ゴー)1(イング)9(コン)3(サーン)です。ない頭をしぼって考えて考え抜いた語呂合わせ。今後入れ替えるスタッフ車も、5193とする予定です。これも人に迷惑をかけないこだわりの一つでしょうか。 2001/4/28(土) 『魅力ある倒産防止共済』 先日、あるお客様との会話です。 「会社を守ると共に、節税となる【中小企業倒産防止共済】というのがあります。これは、国が全額出資している中小企業総合事業団が行っている共済で、毎月、5000円から80000円までの間で自由な金額を選んで掛け続けるもので、その掛け金の積み立てた掛け金総額の10倍の範囲内で、万が一取引先が倒産等した場合に共済金の貸し付けが無利子で受けられるという制度です。ただし、貸付金の1/10が掛け金の積立金から控除されます。 この制度のメリットは貸し付けが受けられるということよりも、掛け金が全額損金または必要経費になるということです。つまり年間最高で96万円(8万円×12ヶ月)の損金または必要経費の計上が可能ということになります。実は、この掛け金は、掛け捨てではないところがみそです。掛け金納付月数によって異なりますが、12ヶ月で解約の場合は80%返戻、24ヶ月で85%、30ヶ月で90%、36ヶ月で95%、40ヶ月以上でなんと100%の返戻金が支給されます(解約返戻金は雑収入処理)。要は、国に貯金することによって、その全額を経費として認めてくれるという画期的な制度ということになります。これを利用しない手はありませんよ。 ただし、掛け金は、掛け金総額320万円迄という限度額が設けられており、その時点で掛け止めとすることになります。よって業績悪化等の場合の資金繰りが必要な年度に解約し運転資金として使うことが可能です。当然、業績悪化時であけばその解約返戻金を雑収入に計上しても所得金額が発生しないことが想定できますから、課税されないケースが大ということになります。 ぜひ、検討してください。」 銀行に対する月掛けを1本削ってでも、この倒産防止共済に加入することを検討する価値が大ですので、ぜひご検討を。詳しくは当事務所まで。 2001/4/27(金) 『赤字会社の共通点』 以下は、経営コンサルタント一倉定氏の言葉。 「商品というものは、どんな店においても売れる物なのである。ある雑貨店に座卓が陳列してあるので、聞いてみたら【でも売れるのですよ】という売り場の担当者の返事である。社長に聞いてみると、そんなものまで仕入れろとはいっていないという。当然だ、雑貨店だからである。この会社は大きな赤字を背負っていたのである。店舗というのは、売れれば何をおいてもいいというものではない。採算がとれるだけ売らなければならないわけだ。そのために取り扱い品種品目を決めておかなければならないという、こんなことさえ分からないから赤字なのである。無方針、そして放任、これは赤字会社の共通点である。・・・・・社長の怠慢、無責任があまりにも多いことを私は常に見せつけられているのである。」 また、一倉氏は、前向きに物を考え、前向きの手を打つ、これが社長の仕事である。社長とは、企業の将来に関する事をやる人である。そして、それは社長以外に誰もやってくれないことである、すなわち、【社長とは、企業の将来に手を打つ人である。】と。 最近痛感するのは、わかっていてもできない経営者が実に多いということ。できなければ、いずれは倒産廃業。できなければできる人をブレーンとするとかいろいろの方策はあるはず。 明日からゴールデンウィークのスタート。あらためて計画・戦略を練り直すいいチャンス。迷いを吹っ飛ばし、自信を持って事業を経営いたしましょう。「小泉さん」のみが構造改革をやり抜くのではなく、いい意味での自社の構造改革を今やり抜かねば・・・・・・・・・・。 2001/4/26(木) 『公的機関の利用』 一昨日、ある県関係者から、先生のお客様で工場等を有している方で、省エネの取り組みをしてみたい方はいませんかという問い。何ですかと、尋ねると、実は県の中小企業情報センターで、中小企業の省エネ対策の相談、支援制度があり、1万円程度の自己負担で省エネルギーに対する取り組みを支援するために企業にその専門家を派遣してくれるという制度だとか。その方の話では、その支援によりその後電気代等の節約により経費の圧縮ができ、喜ばれているということです。このほかにも情報化支援制度等もあるので、積極的に利用して欲しいとのこと。 これくらいの自己負担で改善ができるのであれば利用しない手はないですねと、返答。心当たりのお客様がありますので、後日この話をして、ぜひ、利用してもらうよう説明させてもらいますよ、と会話は終了。 また、具体的な支援事例集も無料で配布しているとのこと。 というわけで、詳しいことは当事務所までご連絡いただければ、優先的に手配させていただきます。 公的な機関で、無料あるいは低額なサービスは数多くありますので、積極的に利用すべきですね。 2001/4/25(水) 『経営者も覚悟』 ようやく経済・財政の構造改革を唱える小泉氏が自民党総裁に選出。経済界の期待は、4人の候補者の中では最も大きかった人物。産業界の競争地図が塗り替わる動きも一段と加速しそうな気配です。 本日の日経産業新聞一面に「小泉総裁誕生、ヤマト運輸元社長小倉昌男氏に聞くと」という記事が掲載。要旨は次の通りです。 1.小泉氏の手腕をどう見るか。・・・・・・・・小泉氏になってよかった。小泉氏は一時的な景気浮揚にとらわれず、基礎から日本経済をやり直せといっている。正論だ。 2.小泉政権で規制緩和はどこまで進むか。・・・・・・・・私は規制は緩和ではなく撤廃すべきものといっている。政治家は 嫌いだが、同じ変人として小泉氏には期待している。 3.経営者はどんな力を問われているか。・・・・・・・・・まず考える力。世の中がどう変わるかなど、いろいろな予見をもとに考えれば、何をしたらいいかある程度は分かる。考えるのが面倒くさいから、ほかの人がやっていることをまねしようという経営者が多すぎる。第2に、なぜそうするかを社員にわかりやすく説明する力だ。最後に実行力。ここで考え込んではおしまい。とにかくやってみなければなにも前にすすまない。新規参入で競争が激しくなるが、ビジネスの中身が似たり寄ったりのいわば有象無象も多く、よく考えて事業システムを組んだ企業にとってはプロの技を光らせる好機だ。 企業経営においては、なぜ、そうするのかを社員にわかりやすく説明して、それを実行する。とにかくやってみなければ何も進まない。実行あるのみですね。 2001/4/24(火) 『印紙税の特例』 「不動産売買契約書」や「請負契約書」などへの収入印紙について、平成13年3月31日までということで軽減措置が設けられておりましたが、今年度の税制改正において、その軽減措置がさらに平成15年3月31日まで2年間延長されました。 これは、記載金額が1000万円を越えるものが対象です。 たとえば譲渡契約書、請負契約書の金額が5000万円超1億円以下の場合は、本来ならば6万円の収入印紙ですが、4.5万円でOKということになります。 登録免許税の軽減措置も2年延長になっており、「住宅用家屋の所有権の保存登記」は、不動産価額の0.6%が0.15%、「抵当権の設定登記」は、0.4%が0.1%となっております。 契約書の印紙は、うっかりするとこの軽減措置を忘れて通常の金額の印紙を貼ってしまう恐れがありますので注意が必要ですね。 2001/4/23(月) 『個人事業税』 事業税は法人に対しては法人事業税、個人に対しては個人事業税が課せられる地方税です。 個人がアパートを経営している場合において、従来その貸し室の規模が15室未満ならばこの個人事業税が課税されていなかったものが、今年度から、その貸し室の範囲が10室未満に引きされることになりました。すなわち、一種の増税ということになります。 各自自体では、平成13年度の税制改正で措置されたとしていますが、今回の地方税法改正法にはその記述はまったくなし。総務省によると、「平成12年度税制改正で地方税の通知が見直され、総務省が各自治体に行っている通知のうち、地方税を減免している通知についての減免の率の定めがあるものを見直すように指示された。今回の個人事業税の特例措置廃止もその一環」と説明しているとか。 いずれにしても、アパート経営者で、従来、個人事業税を納めていないのに、今年度から納めることになる方が現れてくるということになるわけです。まさに増税そのものです。アパート経営の受難? 2001/4/22(日) 『徐行と停止』 仕事でもプライベートでも、この地では車はなくしてはならないほどの必需品。 安全運転が全ての根底という思いから、当事務所では毎朝安全運転唱和を行っています。その際、各自が交通事故を見かけた場合、または事故があったとみられる現場を通った場合に報告しあい、意識の高揚につとめています。 20日の朝礼の際、私自身、前日に事故の現場検証をしていると思われるところを通過したので報告。場所は当事務所のスタッフが良く通る交差点であり、また、あるスタッフの自宅の近く。よく事故を見かける場所でありまた、通るたびに危険な感じを持つ場所であります。そこは、白根市茨曽根地内の市道交差点で、国道8号線と平行に走っている信濃川寄りの道路と、信濃川の堤防から8号線へ抜ける道路との交差点で、点滅信号があるのみの場所。 何気なく、昨日のテレビを見てびっくり。21日午前9時30分頃、なんとまさにこの交差点で、普通乗用車と10トントラックの正面衝突があり、普通乗用車は原型をとどめないまでにメチャメチャの様子が画面にデカデカと映し出されておりビックリ。普通乗用車の夫婦2人が事故から1時間後に運び込まれた白根市内の病院で死亡。この2人は、法事で三条の寺に行く途中の事故とか。本日の三条新聞下段に、この方とみられる通夜・告別式の「謹告」が黒い太線の囲みで掲載されておりました。 他の事故を、我が身に置き換え、常に安全運転を心がけましょう。 当事務所では、「安全運転10則」を毎日唱和しておりますが、この第3則目に「徐行と停止が事故を避けるカギ・・・」とあります。交差点、まして点滅信号交差点は特に注意したいものです。 2001/4/21(土) 『採用戦略』 一昨日、突然のメール着信。○○大学4年の○○と申します、と始まり、当事務所での求人予定があれば連絡を欲しい旨の内容。時代は本当に変わったんだという実感しきりでありました。 今日の日経流通に「我が社の採用戦略」というコラムにホンダの記事が載っていましたので紹介します。 どんな人材を求めているのかという問いに対して、「確かに知識は重要だが、その知識を活用してホンダで何をしたいのかという意気込みの方が大切だ。人のまねをしない、消極人間はいらないという社風のため、知識だけでなく意欲がないとホンダでは生き残れない。たとえ、英語試験などで高得点をとっていても入社してからやりたいことがない人は採らない。」採用方法はの問いに対して、「引い出ている技能を一つ紹介してもらう時間を設けている。見たいのは技能そのものではなく、習得までに、どのような挫折を味わい、それをどのように克服してきたかだ。その過程を語ってもらうことで、その人が独創性を持って、積極的に働けるかどうか押し量ることができる。」また、役員クラスには面接をやらせないで、最終面接は管理職クラスが担当。少数の役員が面接すると、好みで人材が偏るおそれがあるからとか。中途採用にも積極的で、年齢が30歳前後であれば、前の職種は問わないとのこと。 さすが技術のホンダと感心することしきり。中小企業でも、挫折体験とその克服過程を語ってもらうことと、入社してから何がしたいのかが明確かどうかは重要な面接ポイントですね。 2001/4/20(金) 『金融機関と交流』 18日に、私どもTKC会計事務所と、三条信用金庫との交流会を実施しました。昨年来から、三条信用金庫からはTKC会計人の業務に絶大なる評価を頂いているとか。 三条信用金庫からは本部理事であられる布施審査部長はじめ、10数の支店長の方々。私どもは、加茂三条地区等のTKCの税理士等々。そこでの私の役割は、TKC会計人の業務についての説明をさせていただいた次第であります。 その後意見交換が出され、両者の思いは一つで、関与する、あるいは融資をする企業が永続維持発展するための参謀役であるというスタンスで一致。 その中でわれわれTKC会計人は、毎月の巡回監査を実践しながら正確かつスピーディな月次決算の実施、それを踏まえた業績検討、経営ビジョンと目標を達成する事業計画の提案等を重要な位置づけとして支援させていただいているところです。 部長より、TKCのマークの入った決算書は絶大な信頼がおけるので融資枠の設定でもワンランクアップの方向で進めるとの具体的な評価も頂きました。信用金庫は他の金融機関と違って地域に根ざした業務を行い、地域と共に歩んでいくところが特徴かと思います。その場しのぎでは、やっていけないということで、末永く親身に対応いただいているのではないでしようか。 今後第2弾、3弾と交流することにより、私どもの関与先の支援を進めたいと思っております。 2001/4/19(木) 『経営方針の発表支援』 昨日、あるお客様の会社の社員全員に対する経営方針発表及び勉強会に出席し、社長の方針をフォローするために、その会社の利益計画の具体的説明及びそれに伴う具体的推進事例等を話させていただきました。実際、このような具体的な経営数値の開示や具体的な方針がなかったところでの実施なため、社員には戸惑いがあるのかと思いきや、逆に社員の一人ひとりの目が輝いてくるのが肌身に感じた次第です。 理解が得られれば、行動が変わり、行動が変われば結果が変わる、社長と社員が同じベクトルを目指して行動し続けることが最大のテーマではないかと、あらためて痛感。 話は変わりますが、ホンダにこだわり続ける私としては、さすが我がホンダだなあというニュースを一つ紹介します。 このたび、ホンダは決算情報を、期末から1ヶ月以内に発表する体制を整えたとのこと。自動車メーカーでは01年3月期決算を4月27日に開示するホンダが初めての例。投資家向け広報強化の一環として市場への迅速な情報開示を進め、今後は79年から開示している四半期業績もすべて1ヶ月で発表するとか。そのため、連結対象子会社の会計処理、子会社から本社への実績通知、本社での集計処理・・・の3段階で作業の効率化を推進したということです。昨年、ホンダ狭山工場の見学ができ、感動しきりでしたが、今度は、経理体制の見学を是非したいと考えております。 おかげさまで、当ホームページのアクセス数が本日5000件を達成する見込みです。ありがとうございます。当初の見込みでは4月28日頃を想定しておりましたが、1週間以上も早くの達成。今後も、張り切って更新し続けますので、どうぞご期待を!!。 2001/4/18(水) 『はちみつブーム』 はちみつは1万年以上も前から存在しているとか。健康にいいし、何よりおいしい。日本の消費量はここ数年、一進一退。それが今年は一転、ブームに。「はちみつレモン」という飲料がヒットして以来、およそ10年ぶりのこと。そのきっかけは実は「くまのプーさん」でした。 今春、東京ディズニーランドで連日長蛇の列ができる一番人気のアトラクションが「プーさんのハニーハント」。はちみつのつぼに乗って、はちみつが大好物のキャラクター、くまのプーさんと、はちみつ探しのたびにでるという内容で、昨年登場以来、人気で入場まで2時間待ちはざらの状態。人気の理由はもう一つ。4分30秒の旅を終えて外に出ると売っている「ハニーポップコーン」。見た目は普通のポップコーンと変わらないけれども、香料にはちみつを使っていて、あたり一帯に、はちみつの甘い香りがたちこめている状態。プーさんの絵がかかれた黄色いプラスチックの容器に入っていて1100円もするが、距離にして50bの列、なんと1時間待ち。1日の売上は多い日で6000個も。 プーさん人気が小売店にも波及し、プランタン銀座では4月1日から食品売り場ではちみつを大々的に売りだし。びわ、山桜、ひまわり、ラベンダー・・・・専用コーナーには100アイテムが並ぶ。このほか、他店でも菓子や料理にも波及中とか。はちみつトーストに、はちみつアイスクリーム、などなど。 以上は、昨日の日経流通新聞からの記事です。 私自身も、今年の正月元旦に、ディズニーランドへ行き、この1100円のハニーポップコーンを買ったのでありました。やみつきになりそうな感じですね。長男の修学旅行で来週ディズニーへ行くとのことなのでまた買ってしまうのではないでしょうか。 ともかく、ブームに乗ることも商売には必要なのでは。 2001/4/17(火) 『ヨク、ハヤク、ヤスク、アンゼンニ』 いま、経営者に求められているのは管理能力以外の何者でもないと最近痛感することしきりであります。当然、売上が下がるより上がり、利益率が下がるよりは上がり、固定費も増えるよりは減った方が会社の業績である利益額は増えることになるわけですが、その管理がなされていないというケースが圧倒的大多数と思われます。管理というと、いいイメージはありませんが、どうあるべきかということを、一つ一つ、具体的に言葉や数字等で明確化し、それをチェックし、最終的には目標に達成せしめることではないかと考えます。 タイトルの意味は、ヨク(品質管理)、ハヤク(工程管理)、ヤスク(原価管理)、アンゼンニ(安全管理)という意味で、ある方が自著の中で解説していたものからの抜粋です。その中で、その著者は建設業のケースについて次のように言っております。 ままお目にかかる間違いを指摘すれば、これらの管理ではなく遂行する職人になっている場合が多いことである。本来この4点は1つの現場を成し遂げるためのに相互に関連するものであり、一体化していなければならない。・・・・・・・・・・・・ 社員は具体的に言われて初めてわかるものです。言わないでもわかってもらいたいと思うのは経営者の気持ちだけであって現実はそうではありません。 昨日、ある経営者と話をし、痛感した次第でありました。第三者が見てもわかる具体的指示の仕方を心がけることこそが勝ち組の必須条件の一つと考えます。 2001/4/16(月) 『パソコンの無料支給』 帰宅後はパソコンで遊ぶようにと米国の企業の間では全社員にパソコンを全社員に無料支給する動きが広がっているそうです(本日の日経新聞)。ネット先進国の米国でもパソコンが使えない、興味がないという人は多いため、企業は社員一人ひとりにパソコンを与え、家庭でネットに習熟してもらうことで、ネットを軸とする社内改革の下地づくりを進めようとしているとか。 機器類は特定のメーカーから割安に大量購入、接続業者とも大口契約を結び従業員には月数ドルしか負担を掛けないしくみ。 日本の大企業にはこのような事例はないとのこと。社員の情報武装に対する日米企業の温度差は大きいと言えますね。 今日は日本電信電話(NTT)がグループ3カ年経営計画を発表される日とか。ネット環境(月数ドルと行かなくても月2〜3000円程度の定額通信料ができれば最高ですが)がこれからどう進展するのかによってパソコンの無料支給も米国だけのことではないときがすぐ到来するのではと期待しつつ・・・・・・。 話は変わりますが、新潟県を代表する人物、三波春夫さんが、ある時、永六輔さんに「常に本当の演技をしたい。神様に手を合わせる時と同じく、お客様の前でも無我の境地になる必要があるのです。」と。さらに、「三波春夫は妻と子供がつくったのです。」と強調していたとか。それが、最期の妻に別れを告げた言葉「ママ、ありがとう。幸せでした。」なのでしょうか。(本日16日の新潟日報1面コラム「日報抄」を読んでいない方は是非お読みください。) 三波春夫さんのご冥福をお祈りいたします。 2001/4/15(日) 『ユニクロの秘密』 同一製品を年間100万から1000万の単位で販売する「ユニクロ」。この巨大カジュアル衣料品店を経営するファーストリテイリングはこのほど、その生産の中枢である中国・上海近郊の工場を初めて公開。 生産委託先は約100カ所。1カ所の工場で生産する商品は原則1種類、月産50万枚以上を目安にしているとか。それが約100カ所ということは、仮に1工場1000人としても、単純計算で10万人以上がユニクロの生産に携わっていることになります。ユニクロの場合、自社で製品を企画し、生地もあらかじめ確保したうえで、自らの工場に発注を出す。発注した製品は全部買い取り、自社運営の約500店舗で売り切ってしまう。要するに、ユニクロの低価格は中間マージンと返品リスクの上乗せ分のカットでなりたっているといえます。生産から販売までの流れを1社で一貫管理して、中間のムダを省いて大きなコストダウンを実現している訳ですね。 一般的に日本では、中国は労賃は安いが、品質を満たすことは難しい、と思われていましたが、そこをブレークスルー。日本人のベテラン技術者、つまり国内の繊維会社に勤めデニムの神様と呼ばれる人、ミシンを解体して組み立てられる職人、工場長の経験者・・・など、この道30年40年のベテランばかり14人が生産を委託しているすべての工場を対象に月〜木の週4日間、 1人1〜2工場を回るようにした。彼らは、毎月1人で10数工場をまわって行程管理や縫製などの技術を伝授する。彼らの指導と一般スタッフの管理が連携した結果が、ユニクロの品質管理ということでしょうか。 とにかく、すごいの一言につきますね。何事も徹底的ということでしょうか。 2001/4/14(土) 『小さなトップ企業』 昨日届いた日経ビジネス4月16日号に「小さなトップ業」というタイトルで、小須戸町にある「竹井機器工業」が2ページにわたり紹介されておりビックリ。実は私が税理士事務所を開業する前に、縁あってこの会社の工場を見学させていただいたことがあり、当時体力測定機器でトップシェアというということ、健康ブームの中で急成長している等で感動した記憶を未だに覚えていたからであります。場所は、403号線を新潟方面に走ると小須戸町矢代田地内の国道403号線に面して左側にありますので、ああ、そういわれればとお気づきの方も多いと思いますが。 この記事では次のように紹介されております。 「うそ発見器を日本で初めて製造したのがこの竹井機器工業・・・・心理学実験機器からスタートし、計測装置の分野で成長を遂げた。商品テストを重ね、性能の高さで販売実績を積み上げる。健康ブームの中、体力測定器など製品の幅を拡充して市場に望む。・・・・心理学実験機器で約7割、体力測定器の市場で約4割など、各製品分野でトップシェアを占めている。・・・・現在は、単に売り上げの拡大を追うよりも、利益の最大化を目指す方針だ。数年前まで同社は、たとえば体力測定器を販売する場合、併せて血圧計など他社製品も売るといった形で売上を伸ばしてきた。その反面、社内に在庫が増えるなどの弊害も生まれた。そこで3年前から他社製品を売るよりもメーカーとしての機能を生かし、2〜3倍の利益率がとれる自社製品を売ろう、と販売戦略を切り替えた。同時に98年に170人だった社員数を現在では100人程度に減らしている。一時的に売上も減少し在庫圧縮による損失がでたものの、2000年6月期は利益が大幅に増加。2001年6月期も経常利益率は8%を見込む。・・・・」 前期の売上高は20億円。社長の年齢は38歳という若さ。やはり売上の拡大を追うよりも利益の最大化ということが経営の常道と痛感。こんなに身近なところに日本に誇れる企業があるとはあらためて感動しきり。 2001/4/13(金) 『第2回みどり塾』 昨日のみどり塾が終了したのは夜9時30分。またもや、時間オーバーでの終了。 今回のテーマは、「商品政策と販売政策の目標確立」で、1.商品は企業の生命、2.販売なくして利益なし、3.ABC分析とは、を中心に開催。 あらためて思ったことは、自社の経営状況(決算内容)を全社員に周知し、現状がどうなっているかという説明をし、理解してもらうことが前提だということを強く思ったことであります。そこからのスタートとして、これをどうしたいのか、その手段及び政策はどうやるのか、やった後の見返りはどうなのかといったかたちで進めなければ、抽象的で頑張らなくてはと思いつつも具体的にはやる気が起きないということなのだと思います。経営状態を社員に公開することのメリットはあってもデメリットは一つもないと市川先生は言い切っておりました。 また、ABC分析の必要性を痛感した次第。 また、昨日のセミナー終了後、夜12時頃ですが、ある参加者の方から、ファックスをいただき、その内容に感動しております。セミナー内容を踏まえ自身がどう思い、どう行動しようかという決意等を具体的に記した内容でありました。嬉しいの一言につきますね。 次回のみどり塾は6月7日。ご期待ください。 ところで今日は、久々の13日の金曜日。仏滅です。これ以上悪い日はない日であります。そう考えると、何か、気が楽になるのは私だけでしょうか。今日も一日頑張りましょう。 2001/4/12(木) 『トップのあり方』 昨日、ある会の会合があり、役員間での懇親会が行われ、本音で意見をカンカンガクガク。私は、自分自身の思いをあらかじめレポート用紙3枚にまとめ、発言。発展的な会であればこそとの願いで、あえて苦言も含めて提案あり質問ありと多義にわたったつもりでありました。 それに対して、その会の母体である機関のトップが、私の発信に対して、一応は納得されたのかなあと思ったのもつかの間。つづくことばが、でもとか、それは違うとか、私はこうやってやっているとか、、しょうがないとか・・・・というような否定言葉の連続。寂しい限りでありました。伝えることの難しさを痛感した次第です。ただ、共通する認識がいくつかあったのがせめてもの救い。 昨日このページで書いた「1」の項目を突然思い浮かべ、これを反面教師として、自分に置き変えて学ぼうと思ったところであります。Yさん、ありがとうございました。また、5月にこのような機会があるということなので、議論させていただきたいと考えております。 ところで、今日は夜6時30分より当事務所主催による第2回目のみどり塾の開催日であります。今日のテーマは、「企業は、商品政策と販売政策の目標を確立せよ」です。21世紀を生き残るための黒字経営の基盤を確立するためには、具体的に何をどうしなければいけないのか、ということを目的で本音で講師を交えての経営実践(目標経営)セミナーです。参加している方々の目の色がだんだん輝いていくのが大変楽しみであります。 2001/4/11(水) 『活学塾』 「経営理念の研究」そして「古典に学ぶ」というテーマで、昨夜第1回目のセミナーを受講いたしました。 講師の先生から、中国の古典からの引用ということで、守屋洋解説の「菜根たん」という中国の古典の中では論語と並んで広く読まれている著書からの研修。その一部を紹介します。 1.自分を向上させるためには 「絶えず不愉快な忠告を耳にし、思いどおりにならぬ出来事をかかえてこそ、自分を向上させることができる。耳にこころよいことばかり聞かされ、思いどおりのことばかり起こっていたら、どうなるのか。自分の人生をわざわざ毒びたしにしているようなものだ。」 5.忘れて良いこと悪いこと 「人に施した恩恵は忘れてしまった方がよい。だが、人にかけた迷惑は忘れてはならない。人から受けた恩義は忘れてはならない。人から受けた怨みは忘れてしまった方がよい。」 講師の先生曰く。人間は成長するために生まれてきた。現状維持は、退歩を意味すると。さらに、自己の成長と業績は正比例すると。 講師は東京からおいで頂いた佐々木直先生。今後2ヶ月に1回のペースで開催されるこのセミナーに引き続き出席し、成長し続けなければと痛感したところでありました。 2001/4/10(火) 『個人携帯電話への補助』 本日の新聞によると、3月末時点での携帯電話の加入台数が6000万台の大台に乗り、3月は単月ベースの加入台数が148万7300台と過去最高だったと報じています。ということは一日平均47977台の増加となる計算。すごいの一言。 ここまで普及すると個人の電話であっても、業務上で使用することがあるということで、会社によっては、その負担に対して会社が金銭を補助するというケースが見受けられます。 その補助が税務上、給与所得とみなされ課税が生じることも考えられます。携帯電話の料金は大きく分けて、基本料金と通話料金からなっております。会社が各人の月々の実際に使った通話料に関わらず、通話量・基本料の区別なく、一定額を支給する場合では、それは各人が仕事に使った通話料の補填にあたる金額も含めて給与と認定される可能性が大です。実際に使用状況がわからず、合理性がないと判断されるためです。実際、業務で使った通話料は通信費とすることができますが、そのためには明らかに業務で使用したことがわかる形である必要があります。そのためには請求書や通話明細書を通話によって分けることのできるサービスなどを受けて、業務使用の分と明確にされる分に限って会社が支払う場合等に変える必要があるのではないでしょうか。 会社自体が、仮に赤字でも給与認定を受ければ、源泉所得税の発生や、役員であればさらに認定賞与として法人申告所得の加算修正を行う必要がありますのでくれぐれも、ご注意を。 2001/4/ 9(月) 『経営用語』 給与・・・・・・・・社長からもらうものではない。お客様が支払ってくださるものです。全員が努力して、粗利益をあげその分配として獲得するものです。 粗利益・・・・・・@売上高から、商品の仕入れ代金、材料費などを差し引いたものをいう。優秀な会社は、売上よりも重視している。A会社の実力です。A社・売上100億、粗利益15億、B社・売上30億、粗利益21億。 A社よりもB社のほうが大きな会社です。 粗利益率・・・・売上に占める粗利益額の比率をいう。商品の組み合わせと数量によってかわる。量が質をつくる。扱い量を増加させれば、粗利益率は後からついてくる。売上が同じでも商品別の売上構成が変わるだけで、全体の粗利益率は大きくかわる。数の多い商品は粗利益率を重視し、数の少ない商品は粗利益額をじゅうしする。 以上はある会社の自社内の経営用語解説集の一部です。社内に日常使われる言葉には、決められた定義がされていないものが多く、これが社内を混乱させている原因ではないかと気づきこの解説集を作成したそうです。48年間の実体験集とか。 今月は一般的に定昇月。定昇ができるためには全員が一丸となってこれらの用語をぜひ理解し、それが可能な環境を確立した後としたいものですね。 2001/4/ 8(日) 『意地』 次は、今週のフナイファックスの一部です。 「人は自分の正当性を主張したい生き物のようですが、相手を認めたりできずに意地を張って得をしたことがありまか? 夫婦の間であっても、奥様に素直に謝ってしまえばよかったのに、謝れず居直ったり、意地を張って奥様を怒らせたり、ヘソをまげられて、あとでよかったと思うことはないはず。私の女房などはヘソを曲げるのは3秒で、直すのに3日もかかると思っています。その間、気分を取り直したりご機嫌をとったり、皆様も苦労したことのある方がいらっしゃると思います。部下に対しても認めるべきは認め、褒めるべきは褒め、叱るべきは叱って行かなければならないのに、ITの時代、部下のほうが情報をもっているようなとき、素直に認められず、見栄をはったり、意地を張ったとき、下から見透かされればその後のリーダーシップは欠落していくことになります。(船井総研 小山社長)」 自分自身の器量よりは、会社は大きくならないといわれますが、意地を張ることは、あらゆる場面でプラスにはならないということでしょうか。さらに経営者には謙虚さもまた必要なことですね。 春本番の日曜日。思いっきり気分転換をするよい一日にしたいものですね。今朝は、6時30分より加茂山の市民一斉清掃に参加し、朝のおいしい空気を一杯吸い込んだところです。 2001/4/ 7(土) 『税制改正研修による充電』 昨日はスタッフと共に、一日研修に参加。本年度の改正税法についての奥の深い内容でありました。 13年度税制改正は、土地・住宅税制、相続税・贈与税、金融・証券税制、企業組織再編税制、中小企業関連税制、IT関連税制、NPO税制、医療・社会保障関係税制、環境対策・グリーン化税制等盛り沢山。 企業は経済環境の変化に応じて迅速、柔軟に対応する必要があります。会社分割、合併などによって企業組織を再編成しているのは、経営資源の集中、新規事業の伸展に企業が取り残されないための手段として行われているのが現状です。このような経済情勢のなかで会社分割の関係条項を追加する商法改正が昨年行われましたか゛、税法でも、組織再編税制として実現した次第です。会社の合併・分割・現物出資等の再編成に際して、税の優遇措置を与えたというものです。 また、パソコン減税が3月31日で終了したわけですが、中小企業投資促進税制が1年延長したため、取得価額の合計が100万円以上のコンピユーターなどの備品は30%の特別償却が可能のため初年度最大で73.8%を償却することが可能となります(4年の耐用年数の償却率43.8%+特別償却30%)。そのため、今現在も、まだまだ優遇されておりますので設備投資の計画をされている会社は是非、ご利用を。 昨日お客様から、新潟市の花のみごろマップをいただきました。厳しい冬のあとにも、必ず春は来るものですね。 2001/4/ 6(金) 『経営計画』 昨日の一倉氏の主張です。 一倉定氏は、正しい経営計画書の作り方は常に当期を初年度として5年間の計画を立てる。すなわち、毎年1年ずらして、その年度を初年度とした5年間の構想書をつくるのである。つまり、常時5年dd先までにらんでいる計画であると。考え方としては「我が社の優れた未来を築くために、今日、ただ今、何をしなければならないのか」ということ。「今日、これをやらなければ、5年後、10年後の我が社はない。」という思想であると述べています。 さらに、目標というのは、会社の進むべき正しい方向を見つけだすために、なくてはならないものだが、目標を設定した後に情勢が変わることがある。こうした場合に、目標を変更する会社が多いが、これは大きな誤りである。目標を変えずにおくからこそ、当初の目標と実績との比較ができて、客観情勢の変化がどれだけの大きさだったか的確につかむことができるのである。目標を変えたら、この情勢の変化を読むことができなくなってしまうのである。多くの会社で、目標を変えていることの誤りは、ここにあるのだ。目標と実績の違いはそのままにしてその差を読むのが正しいのである。 目標は社長自身を変え、会社も変えるということですね。 要は、変転する市場と顧客の要求をみきわめて、これに合わせて我が社をつくりあげることしかなく、そのために必要な考え方は、一倉氏のいう「経営三種の神器」・・・・社長自らのお客様訪問・環境整備・経営計画書なのであると。 2001/4/ 5(木) 『何のために』 事業経営の正否は、社長次第で決まるという信念から、社長だけを対象に情熱的に指導する異色の経営コンサルタントの一倉定氏は、次のように言っています。 経営のコツは、社長自ら経営計画書を作成することである。「小さな会社だから、経営計画書などいらない」と思うのは、大きな誤りである。どんなに小さな会社であろうと、絶対に必要である。反対に、「こんなにやることが山のようにあるのに、そのうえに社長自ら経営計画書を書くヒマなどない」というのも、大きな間違いである。経営計画書を、必ず自らの手で書き上げることこそ、社長として絶対にやらなければならないことである。これなくして、会社の反映を実現するのは難事中の難事である。経営計画こそ、「会社の守り神」である。そして、社長の雑用をなくすものは経営計画書であり、社長は本当の意味での会社の将来だけを考えればよいことになる。リーダーシップの要諦は、「自らの意図を明らかにする」ことであり、それをもっとも効果的に発揮する法は、「明文化」であるから。これゆえに、経営計画書を「魔法の書」と読んでいる正体である。 ところが、せっかく経営計画書を作っても、絵に描いた餅になってしまうことが多い。まして金融機関の担当者ですら上司に融資決済をスムーズに通すためだけに、とりあえず形だけでいいですよとかいうことすらも。何のための計画なのか。それが取引先に取ってよいことなのかと言いたくなるようなケースがあります。完璧を求めなくても、紙一枚からでも方針が明確に現れていればそれだけでもすばらしいのではないでしょうか。要は、自社を維持発展させるためにはどのような方向に持っていくのかを明示し、その具体的実践方法を示せばいいのだから。 最近、いろいろな場面で、この「なんのために」と言いたくなるような、あるいは考えてもらいたくなるような場面に遭遇することしきり。何となくもあっていいと思いますが、そうでない場合は、何のためという投げかけをすれば、自ずとすべてがいい方向により近づくのではないでしょうか。 話は変わりますが、縁あって昨日より三条市にある中小企業大学校三条校で、月に数日お世話になることになりました。登録専門指導員という肩書きですが、これも自分のために勉強させていただくつもりで、引き受けさせていただきました。また、いろいろの情報発信をさせていただくつもりです。 2001/4/ 4(水) 『注文請書に対する印紙』 先日ある工務店の社長より問い合わせがあり、注文請書には、収入印紙が必要かどうかという内容。 注文請書は、一般に相手方の注文に対して、これを引き受けたことを証明するために作成される文書。建築下請けなどの取引を継続して行う当事者間で、取引に共通して適用される諸条件を基本契約によって確定した上で個別の契約については、簡易な様式による注文書及び注文請書の授受によって迅速に締結することにしていることが多いのが実態です。 この場合において、注文書は契約の申し込みの意思表示であるものであるため、印紙の課税対象にはなりませんが、これに対する注文請書は、注文書によって契約の申し込みを受けた当事者が、その申し込みを承諾した事実を証明する目的で作成して、注文者に交付するものであり、承諾は申し込みと合わせて契約を成立させる意思表示であることから、申し込みに対する承諾の事実を証明するために作成されるものである注文請書は、常に、契約の成立を証明する文書、すなわち「契約書に該当」するため、印紙の課税対象になります。 ついでに、一般的に「印紙を貼った場合の注意」です。 印紙を貼った場合は、消印をしなければなりません。消印にはやり方があり、印紙の模様と文書にかかるように消さなければなりません。その消し方は、文書の作成者本人または代理人、使用人その他従業員の印章か署名で消さなければなりません。使用する印章は、いわゆるハンコのほかに氏名・名称の入った日付判や役職者名・名称を表示した印でも大丈夫です。斜線とか、×で消すのは誤りということになりますね。 ともかく、この消印を忘れると印紙の額面に相当する「過怠税」がかかるので注意が必要です。貼り忘れの他に結構消し忘れも見かけますのでくれぐれもご注意を。 2001/4/ 3(火) 『和紙の販売』 山梨県で障子紙・和紙小物の製造・販売を手がける株式会社大直は、ホームセンターでの障子紙拡販戦略が成功し急成長、今後は海外にも販路を獲得、アルマーニと提携するなど欧州市場も進出と、昨日届いた雑誌に紹介されています。 住宅の洋風化が進むなか、障子紙が本当に売れているのかと、自分自身の目を疑るほどの意外性。まして、日本文化的な物を欧州の、さらに、アルマーニと提携とは。意外性の連続ですね。 市ノ瀬社長の弁です。 「私が企業活動を行うにあたって、一番大切に考えていることは、どんな仕事をしたいのか、どんな会社にしたいのか、という夢を語ることです。人は、数字上の目標のためだけに、モチベーションを高めて働いているのではありません。自分の仕事に対する愛着と夢が、企業を育て、人を育てていくと考えています。社長が先陣を切ってやらなければならないことはいろいろありますが、物理的にできることは限られてきます。むしろスタッフが社長以上に夢を膨らませ、企業の未来を語ることが、その企業を活性化させ、将来のビジョンを希望のあるものに変えて行くのではないかと思います。当社の夢は、和紙で作った様々な商品を世に送り出すことにより、和紙の良さと日本文化の良さをお客様に知っていただくことにあります。そして、和紙を通じて日本の生活を提案していくことが、当社における企業活動のベースであると同時に、社員にとっての大きなモチベーションの源となっています。」 社員に和の心をはぐくんでもらう努力も日々行っており、その1つとして、社内でのお茶の講習会があるとか。そのための茶室が社内に完備済みという徹底ぶり。 自社の使命を明確にすることにより、一般には意外と思われるジャンルの物も販売実績をどんどん増やせるという事例なのでしょうか。忙しいと言って、自分に正当な言い訳を言い続け、その場しのぎの場当たり的な企業経営では生き残れないことは明らかですから。 2001/4/ 2(月) 『勇猛なスローガン』 あの安売りで有名な家電製品小売りの「コジマ」が会社の定款に「安値日本一への挑戦」と織り込んでいるとはびっくり。安売り哲学の根底には、小島勝平社長の体験が流れていると、本日の日経新聞のコラム「リーダーの研究」に書かれております。 コジマの2001年3月期の連結決算は、売上高を5000億円台に乗せ、家電専門店業界で4年連続日本一の座を手に。現金一括仕入れとオリジナル商品が、安さの原資。コジマが急成長を始めたのは、兄の金平に代わって85年に社長に就任して以降。持病をことごとく言い当てた占い師に「今から3年は何をやっても成功する」といわれ、大量出店を決意。27店だった個人商店を90年には100店に育て上げたとか。コジマは昨年、過去最多の34店を出店し現在230店。「お客様に不便をかけないこと」が積極出店の大儀。 ある証券アナリストは「物流や情報システム、店舗のスクラップアンドビルドはヤマダ電機が先行」し、コジマは効率の悪い小型店を捨てきれず浪花節的と分析。そのためか、株価は8000円のヤマダ電機に対して、コジマの株価は2000円台。 3年前に小島社長は命を拾う経験を。ゴルフプレー中に、他のプレーヤーの打ったショットが耳の下に当たり、危ないっと、仲間が叫ばなかったなら後頭部を直撃して、今の自分はなかったはずとか。せっかく拾った命。経営に邁進しようという気になったとか。 強運のカリスマ経営者の姿を象徴しているかのようですね。今は日本一ではなく、安値世界一への挑戦というスローガンをかかげているのもこのカリスマ性からでしようか。何事も徹底的にはすればやはり道は開けるという一例ですね。 2001/4/ 1(日) 『タクシー代が交際費?』 それではクイズです。次の各タクシー代の支払いは、税務処理上どのような費用科目になるでしようか。先日のある社長からの質問です。 当社の担当が得意先の山田さんを接待する場合において @得意先に山田さんを迎えに行くタクシー代。Aその後、山田さんと、接待場所の割烹に同行するためのタクシー代。B接待が終わって山田さんを自宅まで送るためのタクシー代。C当社の担当が自宅に帰るためのタクシー代。 このうち、@〜Bまでは、接待の行為のための費用として理解されると思いますが、Cは「接待した側は会社の業務としての行為だし、夜遅くなってタクシーで帰るのは当然だから、通常の業務の交通費と変わるところはないじやないか」という考える企業が多いようです。 しかし、これも「接待に類する行為のため」に支出したことはまちがいないため交際費になります。逆にいえば、それだからこそCのタクシー代が交際費の抽出もれになっていないかどうかに税務署の担当官が目を光らせることになるといえます。 すなわち、答えは@〜Cまでの「すべて」が、交際費ということになります。 これは、今日がエイプリルフールの日だから、からかっているのかとお思いかもしれませんが、現在の税法では、上記の支出は交通費ではなく、すべてが交際費として法人税法上所得金額の計算が行われます。営業マンも交際費の知識が必要となるため、基礎的知識の研修をぜひ。
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