税務署の発表する法人の申告所得は、70%以上の法人が赤字。
赤字ということは、収益よりも費用が多いということを意味しています。
しかし、だからといって赤字の法人がすぐに倒産するということは一概に言えません。
逆に、黒字の法人であっても倒産することが考えられます。
これらは、利益とキャッシュはイコールではないためであります。
例えば、次の事例を見てみましょう。
P/L [売上高 100] − [費 用 80] = [利 益 20]
この場合、取引条件によってキャッシュは次のように異なってきます。
ケース1. 掛での売上 100 − 掛での仕入 = キャッシュ 0
ケース2. 現金で売上 100 − 掛での仕入 = キャッシュ 100
ケース3. 掛での売上 100 − 現金で仕入 = キャッシュ ▲80
ケース4. 現金で売上 100 − 現金で仕入 = キャッシュ 20
損益計算書上、利益は20の場合でも、ケース1.2.3.4.の場合のキャッシュの増減は異なることとなります。
最も安全な経営を行えるのは、ケース2。
逆に最も危ない経営となるのは、ケース3であります。
ケース2とケース3とでは、キャッシュが180の開きとなります。
ケース3の場合は、売上を増やせば増やすほど、キャッシュがマイナス(運転資金が必要)となって外部からの資金調達が必要不可欠となります。
とかく、売上だけに目を奪われがちですが、自社の資金フローを今一度見直ししてみてはいかがでしょうか。
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