100年に1度という昨今の大不況から脱出するには、景気浮揚策の総動員が必至です。
特に中小企業の資金繰り悪化は深刻であります。
そこで、中小企業診断士・金融コンサルタントの中村中氏が、雑誌に次のような提言を書かれています。
・・・ここで金融当局に中小企業の借入金の返済を最長2年間凍結する緊急施策の実行を提案したい。
これは実質的に地域金融機関による中小企業への出資に該当するものであり、金融庁のガイドラインに基づく手法で実現可能である。
本施策の結果、据え置かれた借入には利息が付加され、この手元資金を中小企業が有効に活用するインセンティブがはたらくものと思われる。
「借入金返済一斉凍結」のスキーム
①一定期日(例えば平成21年5月末日等)を期して中小企業の借入金返済を6ヶ月間凍結する。(企業側が返済を希望する場合を除く)
②その後6ヶ月以内に、約5年間の経営改善計画を作成し、2年後に借入金合計の返済財源が明確な企業に対しては、以後1年6か月間(通算2年間)の借入金返済の凍結を行う。
③2年後からは、従来と同様な返済を復活する(金融機関の引当金の積み増しが生じる場合は金融庁検査において斟酌)
最長2年間の返済猶予は、実質的に地域金融機関による出資金と考えられ、借手の中小企業は厳格な情報開示を行う必要がある。
2年後の返済スタート時までに策定する5年間の経営改善計画は客観性が求められる・・・
今、緊急特別保証での融資制度が創設され、借り入れ実行されている中小企業が増えておりますが、あくまでも新たな借り入れでありその返済は後にしわ寄せがいっているだけ。
一時しのぎになるにしても、実質的には何の解決にもならないのが現実であります。
それよりも、中村先生の提言のように現在の借り入れ返済を一定期間凍結しその間に策定した経営改善計画を実行することによって本来の経営に近づける努力をするというのは意義のあることであります。
ぜひ、金融当局が一日も早くこの提言を実行していただきことによって、中小企業が活力をとりもどすきっかけとさせていただきたいものであります。
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