今日5月19日の「職場の教養」からです。
タイトルは「残されたソース」。
帝国ホテルの料理長を務めた村上信夫さんの話です。
厨房出身で重役になった唯一の人だそうです。
十代で厨房に入った氏の仕事は鍋磨きだけ。
同年に入った何人もの少年が一年以内にやめていく中で、氏は「日本一の鍋磨きになろう」と決意し、銅の鍋を自分の顔がうつるくらいピカピカに磨き続けたそうです。
やがてその働きぶりは先輩たちにしれることになり、使用された鍋が返されるとき、普通はソースの味がわからないように洗剤が入れられてくるのだそうですが、村上氏にだけは、ソースをのこしたまま返されてくるようになったそうです。
それは先輩たちの密かな応援だったのだとか。
村上氏はそれをなめて隠し味を勉強し、一人前の料理人になることができたのだそうです。
最後に次のようにこの「職場の教養」は締めくくっています。
頼まれごとは「試されこと」。
その受けっぷちから仕事ブリまでが試されている。
今置かれている状況を喜び、依頼された仕事を黙々とやり遂げよう・・・と。
人生を開く扉は目の前にあるから、と。
同じ話を以前ご指導いただいたフードコンサルタントの市川治平先生からお聞きしました。
市川先生は、同じように皿洗いを命じられ、日本で一番の皿洗いになろうと決意し、それが認められそのレストランの社長にまでなられたという方です。
まさに頼まれごとは「試されごと」を痛感したことを昨日のように記憶しています。
今日の朝礼でこの「職場の教養」を輪読します。
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