昨日は、訪問いただいた社長様と、借入金はいくらまでが妥当な額かという話に・・・。
その際、話題となったのが、「債務償還年数」であります。
ほとんどの企業が、運転資金や設備資金のために銀行等からの借入れにより資金調達しているのが現状でありますが、借りたお金は返さなければならないもの。
そこで、今現在ある借入金の残高をその企業の返済可能な原資(キャッシュフロー)で割った場合の年数、すなわちその借入金を完済するまで何年かかるかという期間を「債務償還年数」といいます。
具体的な算式は次の通りとなります。
有利子負債÷(営業利益+減価償却費)
この債務償還年数が10年以内であれば、財務状況はまあまあと判断され、返済力には一応問題はないようにとられているようです。
借入金が多くなっている企業でも、この10年を目安にして経営計画を立て借入金依存度を少しずつ減らしていくことが上手なやり方です。
皆さんの企業は、果たしてこの債務償還年数は何年ですか?
ただし、この計算をする場合の借入金には、当然役員借入金は含まれませんのでご注意を。なぜならば通常このような借入金は、ある時払いの催促なしのためです。
この債務償還年数は短ければ短いほどいいわけですが、この年数を短くするためには、当然のことですが、①借入金そのものの残高を減らすこと、②当期利益を増やすこと、③減価償却費を増やすことです。当たり前のことですが・・・。
①の見直しとしては、
遊休資産を持っていれば早急な処分することによってまとまった借入返済をする。
棚卸資産等が多すぎるのであれば、早めの処分をする。
売掛金等の債権回収が滞っているところがあるかないかをチェックする。
等々
②の見直しとしては、
収益性をアップするための具体的利益計画を早急に策定し実施する。
③の見直しとしては、
収益性を上げるために必要な設備投資を計画性を持ってすることによって減価償却費を計上する。
といったところでしょうか。
いくら償還年数が短いと行っても無理な毎月の返済であれば資金繰りを圧迫することになるので、毎月の返済額も適正でなければならないというのは言うまでもないことであります。
また、一般的に、企業が銀行から借入する金額の限度は、製造業で月商の6ヶ月、卸売業 月商の3ヶ月が目安だともいわれているようです。
借入金が年商を上回るようになっては、いつ倒産してもおかしくないとも言われています。
当たり前のことですが、企業経営を維持するためには、入ってくるお金が最低でも出て行くお金分なければ資金ショートして倒産となります。
借入金の返済や手形の決済を含めて出るお金を上回る入りのお金となる資金計画を立てなければいけないと言うことであります。
さもなければ、黒字でも倒産と言うことになりかねません。
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