先日、ある広告を見て購入した書籍、帝国データバンク情報部著『会社はこうして潰れていく』(中経出版)が先日到着。
早速読んでみると、最近の20社ほどの有名企業の倒産事例をあげ、なぜその会社が倒産に至ったのかを検証することで読者に疑似体験できるような構成となっています。
巻末に、「取引先危険度判定シート」が折り込まれていましたのでその一部(抜粋)を紹介します。
○社員・役員について
1.ワンマン経営である。
2.内紛がある。
3.不在のことが多い。
4.家庭が円満でない。
5.仕事より優先しているものがある。
6.ブレーンが機能していない。
7.社長・役員に活力がない。
8.市場動向・コスト意識などの発想に客観性がない。
9.意思決定が遅い。
10.公私混同が目に余る。
11.従業員をけなすことがある。
12.意思が弱い、人が良すぎる。
13.有能な幹部が退職している。
○従業員について
1.経理担当者が不在がちだったり退職している。
2.従業員の社長や幹部に対する悪口が増えている。
3.接客や電話応答に身が入らない。
○商品・技術・サービスについて
1.納期が守られていない。
2.在庫に極端な増減がある。
3.荷動きに不審な点がある。
4.在庫管理が適正でない。
5.特定の取引先への安売りがある。
6.検収が甘くなっている。
7.単品技術を過信している。
8.仲間取引が急増している。
○財務・資金繰りについて
1.売上高の横ばい、減少が3年以上続いている。
2.3期連続の赤字となっている。
3.財務諸表に急変がある。
4.金利負担の増加に疑問がある。
5.借入金が月商の3倍以上である。
6.取引銀行との関係が悪化している。
7.取引銀行の格や数が適正ではない。
8.小口の支払を手形で支払っている。
9.決済日か増加している。
10.仕入先からの受取手形がある。
11.減価償却が適正ではない。
○上記以外について
1.本業外への投資が目立っている。
2.事務所やトイレが清潔ではない。
3.不審な人物が出入りしている。
4.会議が急に多くなっている。
5.人材育成がないがしろにされている。
6.極端な経費節減を言い出している。
7.取引先が急に変更されている。
8.極端な秘密主義である。
上記は、新規に取引を始めるとき、あるいは既存取引先の信用を確認するときに、営業担当者と審査担当者が取引先をチェックする項目とのことで、危ない兆候への気づきにつながる・・・と説明が書かれています。
自社が生き残るために、このチェックリストを自問自答してみることも大事のようです。
http://www.chukei.co.jp/business/detail.php?id=9784806132516
企業の決算書の分析だけではなく、キャッシュフロー計算書を分析することも倒産リスクを見極める大事な要素です。
キャッシュフロー計算書は、①営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)、②投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)、③財務活動によるキャッシュフロー(財務CF)の3つに分けられますが、この3つが+か−かによって会社の状況を判断できます。
1.①が+ ②が− ③が− の会社・・・・優良企業
2.①が+ ②が− ③が+ の会社・・・・積極投資型企業
3.①が− ②が+ ③が+ の会社・・・・経営が危ぶまれる企業
決算書と違って、キャッシュフロー計算書は、お金の流れを表していますので誰が作成しても同じ結果となるため、適正な判断材料となります。
皆さんの会社と1.2.3のうちのどれに該当しますが!!
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