戦略経営者7月号74ページに「トヨタから学ぶ現場力」というコーナーがあり、カルマン代表取締役の若林義人氏が「“動き”を“働き”に変える」という見出しの記事を書かれています。
なるほどと痛感したのでその内容の一部を紹介いたします。
電器製品をつくっているA社が毎月赤字で苦しんでいる。海外では同じような製品が30%も安く生産できるため、価格面では太刀打ちできないことに加え、生産性も低かったのが赤字の原因。
筆者がその工場へ訪ねてみて感じたのは無駄の多さだったとか。特に時間のムダ使いが激しかったとのこと。
朝8時稼働と言いながら、最初の30分は機会が動くのを何もせずにまっている。
機械の稼働にどうしてもそれだけの時間がかかるのなら、本来は管理職の一人が30分早く来て機械のスイッチを押しておけば済むというものと筆者は言い切っています。
以下、記事の原文の一部です。
・・・生産現場の作業を細かく観察すると作業者の動作は「作業」と「ムダ」に分かれる。さらに作業は「正味作業」と「付随作業」に分かれる。このうち「ムダ」は作業をしていく上で、何ら必要がなく、原価のみを高める動作を指し、すぐに省いていく必要がある。改善はまずここからすすめていくことになる。そして、付随作業は、付加価値の付かない作業を指す。本来はムダと言えるが、現在の作業条件ではやらなければならないものが多い。例えば段取り替えや、部品を取りに行くこと、部品の包装をとくといった作業であり、これらは作業条件を改善すれば「ムダ」として省くことが可能になる。正味作業は、付加価値を高める作業であり、作業全体に占める正味作業の比率をいかに高めるかが重要になる。どんなに作業者が忙しく働いたつもりでも、正味作業以外はただの「動き」であり、「働き」とは呼べない。ムダや付随作業を減らして、正味作業の比率を高めていくことをトヨタ式は「動きを働きに変える」と言っている・・・
・・・汗を流して忙しく動き回っている人や、朝早くから夜遅くまで働き、時に休日出勤も厭わないひとを見て私たちはしばしば「よく働いている」と感心するが、大切なのはそれが「動き」なのか「働き」なのかを見極めることであり、「よく動く」ことは決して「よく働く」こととイコールではない・・・
動きを働きにかえることと、その働きを増やしていくことが企業の業績を確実に伸ばすことになり、ひいては働いている人たちのやりがいも増すと筆者は述べています。
お客様企業で業績が順調に伸びている企業は、まさにの通りだと痛感した次第であります。
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