次の文章は、私が所属する会の“経営者を元氣にする会報”というコーナーに書かせていただいた文章(3月30日)です。

経営者を元氣にする会報 400号記念 「格安な事業資金融資団信保険のすすめ」 税理士山口昇 新潟総局

中小企業は自己資金が十分でない企業も多く見られます。

そして中小企業は売上げ等を代表者に依存し、その代表者に万が一のことがあった場合に
企業の存続が問われることにもなりかねません。

代表者だけではなく、幹部、従業員、家族に万が一のリスクに備えることも・・。

そのための一つの方法として、生命保険の活用があります。

その法人契約で受取人を法人として必要な保障を付保することが会社を守ることにもつな
がります。

運転資金や生活資金としての死亡退職金もそうですが、万か一の時に銀行借入金を一括返
済するための資金を生命保険で手当てすることは大事なことの一つです。

先日の高橋博先生のメルマガで紹介されていましたが、日本政策金融公庫から融資を受け
る際に案内されるのが、事業資金融資団信保険(団体信用保険)です。

これは、加入者が死亡または所定の高度障がい状態になられた場合、残りの債務が全額弁済
されるというものです。

これは、日本生活金融公庫の融資を受けた方が利用出来る制度です。

任意加入ですが、30万人を越える方が利用(加入率は40から50%)しています。

仕組みは、

1.事業資金を借りた法人代表者や連帯保証人及び個人事業主が公庫団信サービス協会と
債務弁済委託契約を締結し、特約料(保険料)を支払う。

2.公庫団信サービス協会は、生命保険会社と保険契約を結び保険料を支払う。死亡等の場合には生命保険会社が公庫団信サービス協会に保険金を支払う。

3.公庫団信サービス協会は、日本政策金融公庫に債務弁済を行う。

という流れで、融資を受けた残債は、保険金で支払われてゼロとなる制度です。

なんといっても、この制度の魅力は、特約料(保険料)の安さです。

特約料(保険料)は、 融資金額100万円元金均等返済の事例で次の通りです。

1.5年払い(60回)
  1年目 2510円
  2年目 1960円
  3年目 1410円
  4年目  850円
  5年目  300円

2.7年払い(84回)
 1年目 2600円
  2年目 2200円
  3年目 1810円
  4年目 1410円
  5年目 1010円
  6年目  610円
  7年目  220円

加入者の年齢は関係なく一律です。

もともと格安な特約料(保険料)となっていますが、年齢が高くなるほどさらに割安になり
ます。

民間の掛け捨て生命保険と比較していただければ一目瞭然です。

こんな有利な制度は、ぜひ利用したいものですね。

公庫以外の民間の金融機関でも団体信用保険の制度はあるようですが、公庫のように格安
ではないようです。

しかし、いずれにしても、万が一のことを考え、融資を受けた際には、債務が家族に請求が行かないように、生命保険を付保することをおすすめいたします(当然、保険ですので健康についての告知が必要となります)。

この制度は、途中加入はできないので、融資を受けるときに申し込むことが必要です。
なお、特約料・債務弁済金の税務上の取扱いは、下記の通りとなります。

1.加入者が法人の場合
 
   特約料(保険料)・・・損金
   保険金による債務弁済金・・・益金となり課税対象

2.加入者が個人事業主の場合

   特約料(保険料)・・・必要経費とならない
   保険金による債務弁済金・・・所得税は課税されない

なお、特約料は、確定申告の際の生命保険料控除の対象にはならないので注意が必要です。

いずれにしても、将来のリスクや相続のことを考え、きちんと準備する事が大事ですね。

さて、今日の『365人の仕事の教科書』は、宮脇昭さんの“大事なことは現場、現場、現場”です。

・現場が発しているかすかな情報から見えない全体を読み取れ・・・

・現場がすべて、見せかけ上の事象に惑わされず本物を見ろ・・・

教育とは単に手取足取り教えることではないということのようです。

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